冥王斑の謎
今読んでいるのは小川一水の大長編「天冥の標」全10巻17分冊。
8巻PART1まで読了してます。
この先に今思ってる疑問の回答があるのかどうかわからないけど、ここまでで疑問に思ったことなどを。
この作品世界の大きな縦軸になっているのが冥王斑という病気。
ウィルス性の感染症で発病すると高熱と脇の下のリンパ節が腫れ上がって痛すぎて腕を上にかざさないといけない。最大の特徴が目の周りの鬱血による斑紋。
そして、致死率が原種ウィルスで95%というものすごい病気。
さらにやっかいなのが、発症して生き残ってもウィルスの感染性が衰えないので、回復患者は死ぬまで隔離しないといけないという点。
1巻(西暦2800年頃)でも出てくるんだけど、このときは根治薬を自律ロボットのフェオドールが持っていて、根治できた。
2巻(201X 年)で初めて人類社会に登場して、冥王斑の回復患者群《プラクティス》の起源が描かれる。
その後、火星に進出し、火星と木星の間の小惑星帯にも進出した人類はこの病気と付き合い、ウィルス自体も変質して致死率も二割くらいまでになる。
でも回復者の感染性の問題は解決しなかったので感染して生き延びた人は問答無用で《プラクティス》が集住しているところに入れられる。
この《プラクティス》の議長を代々受け継いでいるのが最初に集住地域の統治を行った人物の家系。
親から垂直感染しているので、ウィルスのキャリアなんだけど、発病していない人物もいる。だけど目の周りには発病時の鬱血による斑紋がある。
これはどうにも不思議だ。
また、8巻で主要な人物の一人が感染して回復するんだけど、根治薬を使ってないから斑紋が出るはずなのに出なかったり、感染性もないような扱いになっている。
この辺がどうにも不思議。
なんか都合よく斑紋を使い分けているような気がする。
この先完結までにこの不思議が解決するかどうかは不明。
まぁわたしの見落としでどこかに答えがあったのかもしれない。